NVIDIAは先日、AI時代に向けて設計された全く新しいアーキテクチャを採用したBlackwell B200 GPUを発表しました。
これは、以前のHopperアーキテクチャとは大きく異なり、消費電力もほぼ倍になるという、性能も消費電力もビッグなGPUになるようです。
Blackwell B200 GPUはアーキテクチャが刷新
Blackwellは、第2世代のTransformer Engineエンジン技術を搭載し、FP4およびFP6の計算フォーマットが追加されています。
これらにより、Blackwellは史上最速のAIチップになったと言っても過言ではないでしょう。
しかし、その代償として、標準的なFP64の計算能力はHopperと比較して32%しか増加していません。
当然BlackwellはAI向けのチップとして設計されており、FP64はAI用途ではそれほど重要にはならないため、このような状況になっていると考えられます。
また、チップレット(MCM)方式を採用した理由は、パフォーマンス全体を向上させるためです。
このアプローチが実際にどのように機能するかは興味深いところです。
一方、CUDAは異なるアーキテクチャを持つHopperやBlackwellなどのGPUを適切に処理することができるため、プログラマ側が大きな変更を加える必要はないようです。
Blackwell GPUは3つのバリエーションが存在し、最大1200Wに
NVIDIAは、Blackwell GPUの3つの公式バリエーションを発表しています。
フラッグシップモデルであるB200は、GB200 Superchipプラットフォームで使用され、最大1200Wの消費電力になるようです。これは、Hopper H100の700Wと比較して500Wも多いです。
なお、Superchipプラットフォームは、最大ではこの1200WのB200 GPUを2基とGrace CPUを搭載し、2700W(B200の1200W×2+CPU/IOの300W)もの電力を消費します。
DGXおよびHGXプラットフォームで使用されるBlackwell B200は、1000Wに最適化されており、フルスペックバリエーションの約90%程度の性能となるようです。
さらに、700Wの消費電力を持つBlackwell B100もあり、これはB200(1000W)の約80%、B200(1200W)の約70%の性能を発揮するようです。
まとめ
今回はBlackwell GPUのアーキテクチャや消費電力について判明している内容についてまとめました。
今後、PCIeプラットフォーム向けの単一ダイBlackwell GPUバリエーションが登場する可能性も当然ありますし、家庭用のGPUでもより大きなLLMや画像生成AI等を気軽に動作させられるようになることに期待したいですね。
NVIDIAのBlackwell GB200 GPUは、今年後半に最初の主要な顧客に出荷される予定で、その後、量産が行われる予定です。今後の動向にも目が離せません。
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