先日、NVIDIAが新世代のAI向けGPU「Blackwell」を発表しました。
Blackwell GPUは主にAI用途で大規模な性能向上が期待されているGPUです。
以前のHopper H100 GPUの発売時には供給不足で大変な騒ぎになっていましたが、今回はその心配がないようです。
前回の苦戦からの脱却
前回、NVIDIAはパッケージング施設の生産能力の低さから、大量の注文バックログに直面しました。
これは、巨大なAI市場の需要に応えることができず、競合他社に隙を与える結果となりました。しかし、今回はCEOのジェンセン・フアン氏によれば、状況はかなり改善されているようです。
フアン氏は以下のようにコメントしています。
The volume ramp in demand happened fairly sharply last time, but this time, we’ve had plenty of visibility.
訳:「前回は需要の増加が急激でしたが、今回は十分な見通しができた。」
NVIDIA’s CEO Jensen Huang(引用元: ロイター)
供給網の拡大
供給網の拡大については、パートナーであるTSMCがパッケージング施設への投資を重ね、6つの異なるユニットの開発に160億ドルを投じることを発表しました。これは、CoWoS供給に焦点を当てたものです。
また、NVIDIAはサプライヤーを増やし、Samsung FoundryなどがHBMとCoWoSの供給に貢献しています。
さらに、同社はTSMCとSynopsysでの製造・生産能力を合理化するためのCuLitho技術も活用しています。
Blackwellの大量販売の準備は整った?
このような背景を踏まえ、NVIDIAはBlackwell GPUを大量に販売する準備が整ったと言っても良いでしょう。
実際、MetaがBlackwell B200を既に注文するといった動きも見られます。
更に、NVIDIAは今年のデータセンター市場が2500億ドルに成長すると予測しており、大きな期待が持たれています。
実際にどれほどの供給量を見込めるのかについては未だ疑問も残りますが、B200が大量に普及することで、生成AIを中心としたAIの研究やサービスのレベルが一段と上がることに期待したいですね。
コメント